わたしを形作ってくれた大好きな映画30選【おすすめ映画】


こんにちは。
先日Twitterでフォローさせて頂いている方々が「いいねの数だけ好きな映画を紹介する」という素敵なタグを使われているのをとても楽しく拝見させていただきました。
わたし自身はたくさんの映画を紹介できるほど詳しいわけではないものの、映画自体は大好きでよく観ます。
今回は香水からは脱線してしまいますが、わたしの心を育んでくれた大好きな映画たちを紹介してみようと思います。

思いついた順にきままに記載していますので、数字は好きな順位とは無関係です。また、思いついた順にきままに記載していますので、これらがわたしの人生ベスト30の映画というわけでもありません。ご了承ください。

大好きな映画
1. めぐりあう時間たち (原題:The Hours) (2002) スティーブン・ダルトリー:監督 
【あらすじ】
1923年ロンドン郊外 ー作家:ヴァージニア・ウルフ (ニコール・キッドマン) 
1951年ロサンゼルス ー主婦:ローラ・ブラウン (ジュリアン・ムーア) 
2001年ニューヨーク ー編集者:クラリッサ・ヴォーン (メリル・ストリープ)

 

 

異なる時代に生きる3人の女性が過ごす、ある1日を描く物語。
精神の病に苛まれて自分らしい人生を歩めない苛立ち、客観的に見れば明らかに「幸福」な環境にいるのに決してそう思えない苦しみ、他者から期待される役割を演じ続けることへの苦悩、決して届かない想いのはけ口を求めて彷徨う切なさ、今手元にある幸せで心を満たすことができない悲しみ。
1日の終わり、彼女たちが迎える結末とは。


リトル・ダンサー」で著名なスティーブン・ダルトリー監督作。
ニコール・キッドマンは本作でアカデミー主演女優賞を獲得しています。

一番好きな香水は選び切れませんが、一番好きな映画を問われたら迷いなくこれを挙げます。
母の勧めで鑑賞しましたが、当時小学生だったわたしには余りにも重く難解で、到底理解しきれない映画でした。それでも理解できるようになりたいと強く思ったのは、俳優陣の素晴らしい演技、心に刺さる核心をつく台詞の数々、そして映像を彩る美しい音楽があったからだと思います。

それにしても、なんて豪華なキャストでしょう。主演の三女優はもちろん、脇を固める俳優陣も名優揃い。特にエド・ハリス演じるリチャードはこの映画の肝とでも呼ぶべき存在で、彼とメリル・ストリープが静かに語り合う抑制されたシーンは突き刺さるように心に残っています。

繰り返し繰り返し繰り返し鑑賞し続けているうちに、いつの間にか台詞をすべて空で言えるようになっていました。
一番好きな台詞は、メリル・ストリープ演じるクラリッサが娘に語る下記の言葉。

” I remember one morning. Getting up at dawn.
There was such a sense of possibility. We were going to do everything.
Do you know that feeling?

I remember thinking: ‘This is the beginning of happiness.’
That’s what I thought. ‘So this is the feeling. This is where it starts.
And of course there’ll always be more.’
It never occurred to me: it wasn’t the beginning. It was happiness. It was the moment, right then.”

 

ある朝のことを覚えているわ。明け方に目が覚めたの。
可能性に満ち溢れているという気がしたわ。どんなことでもできそうだった。
そういう感覚ってわかる?

 

こう思ったの。「これは、幸福のはじまりだ」って。
ここが幸福のはじまりで、これからもっともっと幸せがやってくるんだって思った。
でもそうじゃなかった。あの瞬間こそがまさに、幸福そのものだった。


派手な事件が起こるわけでもなければ、何か盛り上がる山場がシナリオ上に用意されているわけでもない。ただ、登場人物たちの心情が淡々と静かに描写されていくだけの映画です。観る人を選ぶ作品ではありますが、わたしにとっては最高傑作。人が生きていくためには、それに値する「意味」が必要なのだと学びました。

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2. ソフィーの選択 (原題:Sophie’s Choice) (1982) アラン・J・パクラ:監督
【あらすじ】
田舎暮らしのかけだし作家、スティンゴは自分探しの旅に出かけた先、ブルックリンでポーランド人女性ソフィーとそのボーイフレンド、ユダヤ人のネイサンに出会います。
ピンク色の安アパート、ピンクパレスで育まれていく奇妙な友情と恋心。
ところがソフィーには、決して誰にも明かしたことのない壮絶な秘密がー
アウシュビッツ収容所で彼女が経験した過去とは。そして、彼女が下さざるを得なかった「選択」とは。


押しも押されぬ名女優、メリル・ストリープがアカデミー主演女優賞を獲得した作品。血に濡れた戦いのシーンも大量虐殺のシーンも一切なく、戦争の惨さと苦しさをこれ以上ないほど描き切った点にただただ心打たれました。
自分がソフィーと同じ立場に置かれたら。考える猶予もなく突然心引き裂かれる選択を迫られたら…。そして、胸が押しつぶされそうな過去を抱えてどうやって今を生きていけばいいのか。

シナリオや演出が格段に優れた映画というわけではないと思います。
ただ、「ソフィー」という一人の魅力的な女性を軸にすべてがまわり動いていく物語。主演を務めたのがメリル・ストリープでなかったとしたら、ここまでの説得力を持って人の心を抉る名作にはなり得なかったのではないでしょうか。

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3. おみおくりの作法 (原題:Still Life) (2013) ウベルト・パゾリーニ:監督
【あらすじ】
ロンドンで公務員として働くジョン・メイの仕事は、身寄りがなく孤独死してしまった方を弔うこと。故人のことを丁寧に調べ、故人にとって最良の弔いとはどんなものかを真剣に考え、自分しか参列者のいない葬儀に出席する日々。仕事を終えると故人の写真を一枚一枚丁寧にアルバムに綴じ、彼らの存在を決して記憶から消し去りません。
ある日、ジョンは自分の住むマンションの向かいの住人ビリーがひとりで亡くなったことを知ります。それと同日、ひとつひとつの仕事に時間を掛け過ぎることを咎められ、公務員を解雇されてしまうジョン。
最後の仕事となったビリーの弔いに、ジョンはことさら情熱を注ぎます。


無駄なものの一切ない、常に片付いたミニマムな部屋。
規則正しい、質素な暮らし。食事はいつでも缶詰と乾いたパン、そしてリンゴだけ。客観的に見れば何の代り映えもおもしろみもない日々を丁寧に丁寧に紡ぎ、誰も見向きもしなかった故人を誰よりも真摯に見つめ、彼らが生きた軌跡を懸命に探し出す
そんなジョンが、自分とは正反対の波乱に満ちたビリーの人生を辿ることによって自身の生に彩りを見出していきます。

懸命に仕事をしても褒められることも、感謝されることもないジョン。
そんな彼が、はじめて報われるラストシーンはただただ美しく、純粋に涙が溢れました。折に触れて観返したい傑作です。

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4. ミス・シェパードをお手本に (原題:The Lady in the Van) (2015) ニコラス・ハイトナー:監督
【あらすじ】
北ロンドン、オンボロの黄色いバンの中で生活するホームレスの老女。ある日、路上駐車を咎められている姿を見かねた劇作家のベネットは、親切心から自宅の駐車場に彼女を車ごと招き入れます。
それから15年、作家の敷地から出ていくことなく居座り続けるミス・シェパード。
彼女の図々しさや高飛車な態度に困り果てながらも憎めず、奇妙な友情を育んでいくことになる二人。長い親交の果て、ベネットが見つけた彼女の素顔とは。


イギリスの劇作家アラン・ベネットが自身の経験をもとに作成した舞台劇を、彼本人が脚本を務め映画化したもの。舞台上で長年ミス・シェパード役を務めてきたマギー・スミスが本作でも主演を務め、すばらしい演技でスクリーン越しに感動をもたらしてくれます。

老人と若者の交流譚はもう食傷気味…という方でも本作は観て損はなし。
本作は老人とオジサンの交流譚であるし、何よりミス・シェパードがとてもとてもとても魅力的です。
それにしても、邦題はもう少し何とかならなかったのかしら。

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5. アリスのままで (原題:Still Alice) (2014) リチャード・グラツァー:監督
【あらすじ】
名門大学で教鞭を取る言語学者のアリス。医師である夫との仲は良好、3人の子供にも恵まれ50歳の誕生日を家族に祝ってもらったばかり。優れたキャリアを持ち、プライベートも充実。順風満帆に思われた彼女を、ある日突然若年性アルツハイマーの症状が襲います。
日に日に言葉を失い、記憶を失い、自分が自分ではなくなっていくことへの恐怖。
アリスと家族の戦いが描かれます。


わたしが大好きな女優のひとり、ジュリアン・ムーアが念願のアカデミー主演女優賞を獲得した作品。原作の小説も愛読しています。

ジュリアン・ムーアの繊細な演技力にはいつもいつも感動し、心動かされます。
序盤に挙げた「めぐりあう時間たち」で彼女が演じたローラ・ブラウンは、内向的で極端に台詞の少ない役でした。原作の小説では彼女が胸の内に秘めた自身の葛藤や悩みが文章で説明されますが、映画ではそうはいきません。
けれど、揺れる眼差しやわずかな手の動き、ほんのかすかにこわばった声で、ローラの心情が確かに手に取るように理解できたのです。
インタビューで感じ取れる彼女本人の気質は極めて豪快でサッパリとしたものでしたので、あまりのギャップに驚きました。

さて、ジュリアンのそんな細やかな演技力が「アリスのままで」においても遺憾なく発揮されています。言葉で身を立てた彼女が、言葉を失っていく悲しみ。そしてその張り裂けそうな苦痛さえも、やがて忘れてしまう悲しみ
彼女が自身のおかれた状況を懸命にスピーチするシーンは数ある名場面の中でももっとも心に残りました。あの美しい文章を記憶に留めておきたくて、スピーチ原稿を書き起こして何度も読み返し暗唱したほど。

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6. いつか眠りにつく前に (原題:Evening) (2007) コルタイ・ラヨシュ:監督
【あらすじ】
重い病で死を目前に控えたアン (ヴァネッサ・レッドグレイヴ) と、彼女を看病する二人の娘。
娘たちは、意識の定まらぬ母が見知らぬ「ハリス」という男性の名前を呼び続けることに疑問を感じます。アンの意識は40年前、親友ライラ (メリル・ストリープ) の結婚式に呼ばれた日へと飛んでいました。


「めぐりあう時間たち」でメリル・ストリープ演じるクラリッサの娘役を演じたクレア・デインズの主演作。若かりし日のアンを演じています。メリル・ストリープとヴァネッサ・レッドグレイヴの実娘が出演し、母娘共演を果たしたことでも話題となりました。

メリル・ストリープとヴァネッサ・レッドグレイヴの共演が観られるというだけで鑑賞する価値のある映画。大好きな女優のひとり、トニ・コレット (彼女も「めぐりあう時間たち」にも出演していましたね) の演技も素晴らしかった。
物語の構成自体は平凡で、アンの過去が語られる回想シーンにもあまり見ごたえはありません。ただ、そんな気持ちも終盤、名女優たちの素晴らしい演技ですべて報われてしまいます。
死の淵でひとつだけ強く想う思い出があるとしたら、わたしにとってそれはどの記憶だろう。あんなふうに、鮮烈に想える日々をわたしは積み重ねられているのだろうか。そんなことを考えさせてくれる良作です。

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7. アバウトアボーイ (原題:About a Boy) (2002) クリス・ワイツ:監督
【あらすじ】
ロンドンに住む36歳独身のウィルは、父親の遺した印税頼りにきままな生活を送るプレイボーイ。ことなかれ主義で何かに本気になったことはなく、そんな自分を「人生を悠々自適に謳歌するイケてる男」と勘違いしている始末。
シングルマザーとの気楽な交際に味を占めた彼は、シングルファザーを装い交流サークルへ参加。そこで精神的に不安定な母親フィオナと、彼女の影響で学校に溶け込めずいじめられている少年マーカスに出会い、ウィルの生活は一変します。


飄々としたダメダメ主人公、まさにヒュー・グラントのハマり役
ヒュー・グラントと言えば「ノッティングヒルの恋人」のイメージが強いですが、「アバウトアボーイ」での演技の方が好きです。
脇をかためるレイチェル・ワイズとトニ・コレット、そして何より子役のニコラス・ホルトがかわいらしくてよかった。
脱線しますが、トニ・コレットほど「カメレオン俳優」という言葉がピッタリはまる女優さんはいないと思います。
これまで挙げた映画3本に出演していますが、はじめてそれらの演者が同一人物だとわかったときの驚きといったら。

考えすぎずにゆるゆる観られて、心にほっこりあたたかさが残るいい映画です。

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8. ホーキング (原題:Hawking) (2004) フィリップ・マーティン:監督
【あらすじ】
先日惜しくも亡くなった天才物理学者、ホーキング博士の自伝的映画。
後に妻となるジェーンとの出会いや難病ALSに侵され不自由になっていく身体へのいら立ち、心を貫く科学的発見への喜び。ケンブリッジ大学にて物理学を学ぶスティーヴンの前半生が描かれます。


エディ・レッドメインも「博士と彼女のセオリー」にてホーキング博士役を受賞し、アカデミー主演男優賞を受賞しました。脚本としては、ジェーンとの別離を含め人間関係のままならなさや人として「ダメな部分」まで描き切った「博士と彼女のセオリー」の方が評価されてしかるべきなのかもしれません。
ただ、博士の人間味や人間関係ではなく、どのような姿勢で学問と研究に取り組んだかという切り口に焦点を当てた本作の方がミニマムかつ美しく纏まっているように思いますし、何より主演のベネディクト・カンバーバッチの演技が素晴らしかった。

終盤、スティーヴンが世界をもゆるがすことになる宇宙の真理に気がつき、思いつくまま突き動かされているかのごとくペンを走らせて自説の検証に励むシーンに科学者の神髄を見た気がして心打たれました。

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9. 炎のランナー (原題:Chariots of Fire) (1981) ヒュー・ハドソン:監督
【あらすじ】
走ること、そして競技に勝つことで栄光を手にし、真のイギリス人として受け入れられたいケンブリッジ大学に通うユダヤ人学生ハロルドと、自身ではなく神の栄光のために自分に与えられた走りの才能を磨こうと励むスコットランド牧師のエリック。実在した対照的なふたりのランナーの人生に焦点を当てたヒューマンドラマです。


対照的なふたりのランナーが正々堂々走りで己の信念を貫き、努力し続ける姿に胸打たれます。
両者共に魅力的な人物ですが、ハロルドの素直で切実な動機には特に感情移入してしまいました。もしもエリックが人望に厚い多くの信者に慕われる牧師でなかったら、神のために走るという崇高な行為を成しえてはいなかったのかもしれません。

ハロルドのコーチを演じる若かりしイアン・ホルムの名演と、壮大で美しい劇中音楽が映画の質を底上げしています。有名な「タイトルズ」、聴いたことのある方が多くいらっしゃるのではないでしょうか。

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10. 空気人形 (2009) 是枝裕和:監督
【あらすじ】
うだつのあがらない独身男、秀夫の心の慰めは今や型遅れの古いラブドール。のぞみと名付け、歪な愛情を注ぎます。ある日、のぞみに心が宿るところから物語ははじまります。
服を着て街に出て、恋をし、傷つき、からっぽな自分にかなしみを覚え、それをごまかすために嘘をつく。”心をもつことは、切ないことでした。


悲しく、切なく、そしてみんな愛おしい。
誰もが理不尽を味わい、苦しみ、そのはけ口を探しています。ラブドールであった頃からつねに誰かの「代用品」で、性欲のはけ口として「使われる」存在だったのぞみ。
心をもった「ひと」になってからも、その劣等感や純粋なやさしさをどこまでも他者のために使い、「消費」されていくばかり。

ヌードシーンが多いため日本人女優には片端からオファーを断られたそう。最後の候補ぺ・ドゥナが主演を演じました。演じたのが彼女でよかった。
ラストシーン、吉野弘の「生命は」で締めくくられる優しい終演に涙が止まりません。

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11. 人生、ここにあり!(原題:Si puo fare) (2008) ジュリオ・マンフレドニア:監督
【あらすじ】
法律により精神病院の撤廃が進められていた1980年代ミラノ。
その革新的な考え方で周囲から疎まれ、労働組合から左遷されたネッロは元精神病院患者の集う協同組合に配属されます。彼らが活躍できる場所を作ろうと、床張り業者を立ち上げて奮闘していきますが…。実話を元にした心あたたまるストーリー。


精神病に関する知識がないからこそ、彼らを「患者」として扱うのではなくひとりひとりの人間として扱い、誠実に向き合うネッロの姿に感動します。
道中は苦労の連続ですが、原題でもある「シッポファーレ (やればできるさ) 」を合言葉に、失敗も笑いに変えてポジティブに邁進していく様子に勇気を貰える名作。同じ内容の映画を日本で作っていたら、もっと湿っぽいトーンになっていたと思います。イタリア人ならではの風通しのよい明るさに満ちた映画。
落ち込んでいるときに観ると、元気が湧いてきます。

12. ショコラ(原題:Chocolat) (2000) ラッセ・ハルストレム:監督
【あらすじ】
ある日、フランスの小さな村に北風と共にやってきた母娘、ヴィアンヌとアヌーク。
彼女たちはチョコレートの魅力と効能を伝えるため、旅をしながら転々と住処を変え、その村にたどり着いたのでした。
小さなチョコレート屋をオープンさせたヴィアンヌは、お客ひとりひとりの好みや要望にピタリとはまるチョコレートを差し出し村人の心をほどいていきます。


この映画で作り方を覚えたホットショコラ (ショコラショー) 。毎年冬になると毎週のように作って飲みます。
ビターチョコレートにチリやシナモンなどのスパイスをたっぷり加えた身も心もあたたまるドリンク。余力のあるときは砂糖控えめでゆるく泡立てたクリームを添えて。

ジュリエット・ビノシュ演じる魅力的なヴィアンヌ。
彼女の作るおいしそうなチョコレートの数々にうっとりしてしまいます。観終わると毎回チョコレートを買い求めに出かけたくなるほど。
ヒッピーの若者を演じたジョニー・デップもはまり役で素敵でした。

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13. 僕が星になる前に(原題:Third Star) (2010) ハッフィー・ダルトン:監督
【あらすじ】
末期がんを患い、余命いくばくもない青年ジェームズ。最後の願いをかなえようと、親友3人と共に旅に出ます。キャンプをしながら「世界一大好きな場所」、ウェールズのバラファンドル湾を目指す4人の旅路の結末とは。


ドラマ「シャーロック」シリーズを機に瞬く間に名俳優の座を掴んだベネディクト・カンバーバッチの初主演作品。賛否両論ある映画だと思いますが、わたし自身は非常に心動かされました。
触れられそうなくらい近くに死を実感するとき、人は何を想うのか。
日に日に思う通りに動かなくなる体、ままならない痛み。旅に同行してくれる友人たちを愛し、感謝している一方、彼らの健やかな姿に湧き上がる妬み、そして彼らの語る未来に自分はいないことを知っている悲しみ。
月並みですが、日々を大切にしようと改めて思えます。

14. マイルーム (原題:Marvin’s Room) (1996) ジェリー・ザクス:監督
【あらすじ】
美容師のリーは、夫と離婚後ひとりで息子を育てています。ある日、反抗期の息子が自宅に火を放ち、全焼。住む場所を失ったリーは息子を連れてやむなく20年振りに実家へと戻ります。
家族を捨てて家を出たリーとは対照的に、痴呆の父と高齢の叔母の面倒を診続け未だ未婚の姉、ベッシー。複雑な姉妹の心情が描かれます。
そんな中、母を嫌い反抗的な態度を改めない息子ハンクは、ベッシーの優しさに心を開き絆を深めていきます。愛憎ままならない家族の難しさ。3人が見出す家族の在り方とは。


粗野で大雑把な言動をとる反面、繊細で弱い心も隠し持つ母親リーをメリル・ストリープ、リーに反抗し複雑な感情を持て余す青年ハンクをレオナルド・ディカプリオ、心優しく器の大きなリーの姉ベッシーをダイアン・キートン、そしてベッシーの主治医をロバート・デ・ニーロが演じるというなんとも豪華なキャスト。繊細に揺れ動く家族の心情が丁寧に綴られます。

愛しているからこそ憎く、近くにいるからこそ言えない気持ちが積み重なり、確執は大きく膨らんでいく。ベッシーの病気をきっかけにそんな凝り固まった確執を少しずつ溶かしながら、再び絆を紡ごうと手を取る家族の姿に感動します。

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15. ウォルト・ディズニーの約束 (原題:Saving Mr.Banks) (2014) ジョン・リー・ハンコック:監督
【あらすじ】
ウォルト・ディズニーがもっとも熱意をもって交渉にあたり、映画化を実現するのに苦戦した作品、「メアリー・ポピンズ」。アニメはNG、ミュージカルなんてもってのほか、脚本は作者の許可を得ること…。気難しい原作者P.L.トラヴァースとウォルトのやり取り、そしてトラヴァースが原作に込めた強い思い入れの正体が明かされていきます。


好きな児童文学は山ほどありますが、100回以上読み返しているのは「赤毛のアン」シリーズとアリソン・アトリーの「農場に暮らして」、そして「メアリー・ポピンズ」シリーズだけ。翻訳はもちろん、原著も擦り切れるほど読みました。
原作のニヒルで冷たく自尊心の強い謎めいたメアリーが好きだったので、ディズニーで映画化されたミュージカル版をはじめて鑑賞した際はあまりの違いに憤慨したほど。
けれど、何度か観るうちに楽しい音楽や心躍る演出を徐々に受け入れられるようになり、原作とは別人のメアリーとして楽しめるようになりました。

本作は、「メアリー・ポピンズ」の原作者トラヴァースをエマ・トンプソンが、そして彼女と交渉にあたるウォルト・ディズニーをトム・ハンクスが演じます。
ディズニー制作の映画ですからすべてが事実とは思いませんが、それでもトラヴァースの心情に寄り添う優しく切ない描写に心あたたまりました。
彼女が自身の過去と重ねて「ミスター・バンクス」に込めた思いを知ったときには思わず涙。この映画を観てから再度「メアリー・ポピンズ」を観返すと、ディズニーサイドが自社の表現を担保しつつも最大限彼女の強い思いを尊重していたことが理解できてより感動します。
エマ・トンプソンも大好きな女優のひとり。トラヴァース役、ピッタリでした。

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16. チャーリング・クロス街84番地 (原題:84 Charing Cross Road) (1987) デビッド・ジョーンズ監督
【あらすじ】
大の古書好き、ニューヨークに住む駆け出しの物書きヘレン。自国では自分が読みたい古書が非常に高価でなかなか手に入らないことを嘆き、たまたま知ったロンドンの古書店に手紙を書いて本を取り寄せます。闊達で明るく知的なヘレンと、物静かではあるけれどユーモアのセンスに富んだ古書店の店主、フランクの文通による交流が始まるのでした。


実話です。ヘレンが実際にフランクとやり取りした手紙をそのまま載せた原作をずっと愛読しており、映画化を知って鑑賞しました。
アン・バンクロフト演じるヘレンがまさにイメージ通りで感動。

ヘレンとフランクの友情の根底にはふたりの熱い本に対する愛情があり、そして互いへの尊敬があります。距離や国籍を超えた、本が繋ぐ真摯な親交に心あたたまりました。読書好きな方は観て損なし、原作もオススメです。

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17. ロードオブザリング三部作 (原題:The Load of the Rings) ピーター・ジャクソン:監督
【あらすじ】
ホビット、エルフ、ドワーフ、魔法使い、人間…。さまざまな種族が暮らす大陸、「中つ国」(ミドルアース)。ホビット族の主人公のフロドが、育ての親ビルボから冥王サウロンが探し求める「ひとつの指輪」を偶然受け継ぐところから物語はスタート。
サウロンの魔の手を逃れ、仲間と共に指輪を破壊するための旅がいざ、始まります。


ファンタジーは苦手という理由でこの作品を敬遠している方がいたら、とてももったいないと思います。ファンタジーというよりは、超大作・歴史映画を観ている感覚に近いです。
なぜなら、トールキンが緻密に造り上げた世界「中つ国」の設定はまさに膨大で「本当にあった物語」なのだと思わせてくれる説得力に溢れているから。言語学者でもあった彼は、中つ国に住む種族すべてにそれぞれ文法や発音がきちんと定められた体系だった言語 (エルフ語やドワーフ語など) を作り出しているほど。
さらには「中つ国」の膨大な年月にわたる年表や、細かな地図に至るまで詳細すぎる設定を施しています。

観るのであればぜひ、劇場版では時間の都合でカットされたシーンがすべて含まれる「スペシャルエクステッドエディション」を!
メイキング映像で見ることができる衣装やセット、小道具への並々ならぬこだわりを知るとさらに作品の楽しみ方が広がります。余力があれば俳優陣の副音声もぜひ。

役者の演技はみな素晴らしいですが、特筆すべきはやはりガンダルフを演じたイアン・マッケラン。視線のみであれほど饒舌に語ることのできる俳優さんは他にいないと思います。ケイト・ブランジェット演じるガラドリエルも美しいです。
映画を愉しんだあとはぜひ原作も。沼へようこそ!

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18. ホビット三部作 (原題:The Hobbit) ピーター・ジャクソン:監督
【あらすじ】
指輪物語 (ロードオブザリング) の前日譚。
フロドの育ての親、ビルボがなぜ「ひとつの指輪」を手に入れるに至ったのか、その経緯が綴られます。突然家を訪ねてきたドワーフ一族に翻弄されながらも勇敢に旅を続けるビルボの、ゆきて帰りし物語。


小学生の頃から愛読してきた「ホビット」映画化のニュース、そしてその主演を務めるのが大好きなマーティン・フリーマンと知ってなんと嬉しかったことでしょう。
マーティン・フリーマンの絶妙な間の取り方、飄々と軽やかに台詞をまわしつつ視線で語る演技が大好き。まさにイメージしていた通りのビルボが観られました。

こちらも観るならぜひノーカット版を!ホビットを観るとロードオブザリングを観返したくなり、ロードオブザリングを観返すとホビットを観返したくなる魔のループ (時間が溶けるので注意) 。原作を読むなら絶対に瀬田貞二さんが訳したものを選んでくださいね。山本史郎さんの訳本は注釈のみ読めばいいです。

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19. 12人の怒れる男 (原題:12 Angry Men) (1957) シドニー・ルメット:監督
【あらすじ】
父親殺しの罪に問われた少年の裁判。陪審員に選ばれた12人の男性陣が、一室で議論を白熱させます。
法廷に提出された証拠や証言は少年にとって不利なものばかり。当然陪審員たちも少年の有罪を確信していました。ところが、ひとりの陪審員だけが彼の無罪を主張し、証拠や証言をひとつひとつ吟味すべきだと要求。彼の論理的な推論に徐々に他の陪審員の心も動き出し、真剣に推理に乗り出します。


1時間半、物語の舞台はほぼ12人が集う部屋のみ。
派手なアクションもなければ事件が起こるわけでもなく、ただただ12人の男性が議論を重ねるだけの一見地味な法廷ドラマが、とてつもなくおもしろい。

ひとりの陪審員の発言をきっかけに有罪だとされていた根拠が次々に覆され、議論の流れが二転三転する様子に手に汗握ります。

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20. 妹の恋人 (原題:Benny & Joon) (1993) ジェレマイア・S・チェチック
【あらすじ】
田舎街に暮らす工場勤めの青年ベニー。両親の死をきっかけに精神を病んでしまった妹ジョーンと支えながら12年間ふたりで生活を続けてきました。
ある日、ひょんなことから友人の従兄弟である文盲の青年サムを自宅に引き取ることになるベニー。無口で風変りなサムに、ジョーンは次第に心惹かれていきます。


ジョニー・デップ出演作の中ではこれが断トツ好きです。次点で「ショコラ」。
彼が演じるサムが何とも言えず魅力的です。
意識せずにサラッとやることなすこと面白い。まさに生まれながらのエンターテイナーを地で体現しています。あまりに奇天烈な料理シーンは必見。
そんなサムに心惹かれるジョーンも精神疾患を患っている影響がもちろんあるものの、あらゆる行動が支離滅裂で個性的。
そんな二人が不器用に、けれどやがて恋人として心結ばれるシーン、とてもほっこりします。純粋に応援したくなる。

二人だけで12年間、互いを支えに生きてきた兄妹。
そこへ突然飛び込んできた変わり者、サムに翻弄され、少しいがみ合い、けれど最後は絆を深めていきます。お互いに心開ける相手を見つけ (兄ベニーの恋人役はジュリアン・ムーアが演じています。綺麗!) 自立していく二人の姿に励まされます。

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21. カッコーの巣の上で (原題:One Flew Over the Cuckoo’s Nest) (1975) ミロス・フォアマン
【あらすじ】
刑務所への入所を逃れるため、精神病を装い精神病院に入院したマクマーフィー。
病院の規則を破り破天荒かつ反抗的な言動ばかり取るマクマーフィーを、他の入居者は当初疎ましく思っていたものの、彼の自由な態度に徐々に賛同者が現れます。
彼の度を過ぎた言動に警戒を増す病院サイド。ますます息苦しさを感じるマクマーフィーは病院からの脱走を計画します。


ジャック・ニコルソンの熱演が光る名作。
正直、観たあとは心が押しつぶされそうになります。決して後味のいい映画とは言えません。
けれど、自分らしく自由に生きることの意味、自らの行いに責任を取るということの意味、命の重さ、善と悪の定義…。死ぬ前に一度は真剣に考えておきたいことがらを考えるきっかけを与えてくれる。目を逸らしたくなるけれど、観てよかったといつも思います。

22. レイチェル (原題:My Cousin Rachel) (2017) ロジャー・ミッシェル:監督
【あらすじ】
幼い頃両親を亡くし、従兄のアンブローズに育てられたフィリップ。彼を慕うフィリップはある日、アンブローズの療養先イタリアから、従妹であり未亡人のレイチェルと結婚したというニュースを受け取ります。
幸せそうな従兄を祝福するフィリップでしたが、後日アンブローズから体調の悪化を訴え助けを乞う手紙が届きます。焦ってイタリアへ向かうフィリップ。しかし、アンブローズはすでに亡くなっていました。彼の急死にはレイチェルが絡んでいるのではないかと疑い、警戒心と怒りに打ち震えるフィリップ。
ところがいざ彼女と対面したフィリップは、そのたおやかで淑やかな美しさに徐々に心奪われていきます。果たしてレイチェルの本当の思惑とは…。


本国で公開したての頃たまたま飛行機の中で鑑賞し、面白すぎて続けざまに数回観なおしました。日本では劇場公開されなかったのが残念。

レイチェル・ワイズの演技と存在感、圧巻です。彼女のミステリアスな美しさが物語の筋に底知れない謎めきを上乗せしています。
ラストシーンのあっと驚く結末まで、テンポよく進む物語に飽きることはありません。
ミステリーとして腑に落ちない部分があるので評価は割れる作品だと思いますが、それでもわたしは十二分にこの作品を愉しみました。

レイチェル
23. つぐない (原題:Atonement) (2007) ジョー・ライト
【あらすじ】
1935年、イングランド。官僚の娘でケンブリッジに通うセシーリアと、彼女の幼馴染、使用人の息子ロビーは身分の差を超えて愛し合う仲。
セシーリアの妹ブライオニーは、そんな姉の奔放でときに性に貪欲な大人の恋を見て激しいショックと嫌悪感を抱くようになります。
そんな中、敷地内で友人ローラが強姦される事件が発生。嫌悪感による強い思い込みからブライオニーはロビーを告発。減刑と引き換えに、派遣兵として出兵することに。
数年後、事件の真相を知ったブライオニーは姉セシーリアを尋ね、許しを請うことを決意しますが…。


原作「贖罪」があまりに有名ですから、結末をご存じの方も多いと思います。
幼い少女の思い込みによって引き裂かれた愛し合う男女の末路、そして大人になった妹、ブライオニーが選んだ贖いとは。

ラストシーン、ヴァネッサ・レッドグレイヴの抑制した演技に引き込まれ、このシーンを観るためだけでもこの映画を鑑賞する価値があった、と感じました。
もちろん、主演のキーラ・ナイトレイ、ジェームズ・マカヴォイの演技も素晴らしいです。特にキーラ・ナイトレイは、他の出演作と比較して断トツで美しかった。どうしようもないやりきれなさや切なさ、哀しみが胸に迫る名作です。

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24. ロッタちゃんと赤い自転車 (原題:Lotta på Bråkmakargatan) (1992) ジョアンナ・ハルド:監督
【あらすじ】
スウェーデンに両親、兄、姉、そして相棒のブタのぬいぐるみバムセと暮らす5歳の女の子、ロッタ。おませでわがまま、自己主張が激しい彼女に振り回されながらも優しく見守る周囲の大人たちと、そんな大人たちの目をかいくぐってアッと驚く行動に出る好奇心旺盛なロッタちゃん。
でも最後には、なぜか全員幸せな気持ちで笑っています。たくさん笑えて心癒され、ほっこりあたたまるハートフルな映画。


アストリッド・リンドグレーンが嫌いな子供なんているでしょうか。
先程上で挙げそびれましたが、「やかまし村シリーズ」、「長くつしたのピッピ」、「名探偵カッレくんシリーズ」、そしてこの「ロッタちゃんシリーズ」…。果たして何度繰り返し読んだかわかりません。
同様に、アストリッド・リンドグレーンが嫌いな大人だっていませんよね?
大人が読むからこそ心に響く言葉に溢れています。

本作は、まるで本から飛び出してきたかのようなロッタちゃんの世界を楽しめる素晴らしい映画。カラフルなスウェーデンの街並み、あたたかい家族、おませで強気なロッタちゃんと相棒のバムセ。
小さい頃、プレゼントに頼んだブタのぬいぐるみにバムセと名付けて連れまわしていたことを懐かしく思い出します。
続編「はじめてのおつかい」も同様に傑作。どうぞ幸せなひとときを。

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25. アザーズ (原題:The Others) (2001) アレハンドロ・アメナーバル:監督
【あらすじ】
1945年、イギリス。二人の子供と共に大きな屋敷に暮らすグレース。夫は遠征から戻ってこず、使用人もいない。彼女の子供は重度の日光アレルギーで陽に当たることができないので、屋敷の窓はいつも分厚いカーテンで覆われたまま。
ある日、働き口を求め3人の使用人が訪れます。ところが彼らがやってきてから、屋敷で起こるようになる不穏で不可思議な出来事の数々。その真相とはいかに。
 


ホラー映画が得意ではないのでほぼ見ませんが、これはどちらかというと「サイコホラー」・「サイコスリラー」タイプで直接的な描写がないのでわたしでも楽しみながら観ることができます。
ニコール・キッドマン、神経質で厳格な女性の役がいつもピタリとはまりますね (「めぐりあう時間たち」しかり、「ラビットホール」しかり…) 。本作でも抑制された静かな演技が緊張感を高めてくれていました。

不可解な事件が緊張感を保ちながら次々に起こり、最後は伏線を回収してあっと驚く結末で終わる。繊細な映像も美しく、このタイプの映画の中では断トツで好きです。

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26. キングスマン (原題:Kingsman: The Secret Service) (2014) マシュー・ヴォーン:監督
【あらすじ】
幼い頃に父を亡くし、母親とその暴力的な交際相手と共に落ちぶれた暮らしを送るエグジー。
ある日、近所のチンピラたちを相手に諍いを起こし、逮捕されてしまいます。
彼を保釈し助けてくれたハリーは実は国家をまたいで平和のために活躍する諜報組織、「キングスマン」に属するメンバーのひとりであり、昔エグジーの父に命を助けてもらった恩を忘れず彼を見守っていたのでした。
ハリーはエグジーをキングスマンの候補生としてスカウトし、生まれや育ちに関係なく紳士になれることを教えます。
 


「裏切りのサーカス」等で重厚かつ複雑なスパイ映画がもたらす極度の緊張感に少し疲れていた頃 (「裏切りのサーカス」は面白いです、念のため) だったので、このテンポよし、音楽よし、アクションよし、笑いありのポップな「キングスマン」の魅力に一撃でやられました。
コリン・ファース、最高にかっこいいです。たまたま直前に同じ「ハリー」という役名で主演している「モネゲーム」を鑑賞し、そのうだつのあがらないダメダメっぷりに笑ったばかりで、ギャップがすごかった (パンツ一丁でかけずりまわるコリン・ファースに興味のある方は「モネゲーム」もぜひ)。
タロン・エガートン演じるエグジーやキングスマンの要マーリンをはじめ、悪役まで魅力的でした。
第二作、「ゴールデンサークル」もジュリアン・ムーア出演ということで期待して観ました。無難に面白かったですが、やはり一作目の完成度には届かなかった印象です。

27. クルーシブル (原題:The Crucible) (1996) ニコラス・ハイトナー:監督
【あらすじ】
敬虔なクリスチャンの住む町、アメリカ・マサチューセッツ州セイラム。
住人からの人望も厚いジョンは、彼に思いを寄せる奉公人の少女アビゲイルと関係をもってしまいます。その事実に気付いたジョンの妻はアビゲイルを家から追い出し、ジョンも彼女との過ちを忘れ去ろうとしていましたが、アビゲイルは妻に対する恨みを募らせていました。
ある日、少女たちは恋のおまじないという名目で夜の森に集い、ダンスを踊ります。アビゲイルはひそかにジョンの妻へ呪いをかけようと考えていました。
ところがその場面を村の牧師に目撃されてしまいます。当時の教義では、集い躍ることは固く禁じられていました。焦る少女たちは必至の形相で「悪魔は他にいて、住民に憑りついている」という話をでっちあげ、その迫真の演技を徐々に住民たちも信じるように。
かくして、少女たちは私怨を込めて「悪魔」を指名するようになっていきます…。


大学の「映像文化論」という授業で鑑賞して衝撃を受けた映画。事実からは大幅に脚色されているとのことですが、実際にセイラムの町で起きた「魔女狩り」事件をもとに作られた話だというからなおさらです。
未だに後味が悪く、少女が秘めた狂気と執念にゾッとします。
現代なら鼻で笑って一蹴されてしまうようなことを、大の大人たちが信じ込む怖さ。迫真の演技で嘘をつき続けるうちに、事実と妄想の境界がわからなくなっていく少女たち。そんな少女たちの証言によって次々に処刑されていく無実の人々。ウィノナ・ライダー演じるアビゲイルがとにかく狡猾で不気味ですばらしかったです。繰り返し観たい話ではありませんが、観ておいてよかったとは思います。

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28. エンペラー (原題:女帝) (2006) フォン・シャオガン:監督
【あらすじ】
実の兄である当代皇帝を暗殺し、新皇帝となったリー。皇帝の息子である皇太子の暗殺を企てていることをしったワンは、愛する皇太子を守るため、やむなく新皇帝の求婚を受け入れます。
復讐の火を心に宿しながら、世界一憎い夫にかしずく日々。しかし愛する父の仇にあっさり嫁いだワンに対する嫉妬と怒りの炎が、皇太子ウールアンの心の中にも燃えていました。


一時期中国映画にはまり、いくつか有名どころを鑑賞しました。中でもやはり大女優チャン・ツィイーの演技に心動かされます。名作「HERO」や「MUSA」も大好きですが、中でも切なく印象に残っているのがこちらの「女帝」。シェイクスピアの「ハムレット」をベースに、中国の宮廷内で愛憎入り乱れる人間ドラマが展開していきます。

復讐の盃を飲み干すのは誰か。
ラストシーンのチャン・ツィイーの演技は圧巻です。

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29.  ベニスに死す (原題:Death in Venice) (1971) ルキノ・ヴィスコンティ
【あらすじ】
療養のためにイタリア、ベニスを訪れた老作曲家は、偶然出会ったポーランド人貴族の美少年タジオに自身の理想であり、究極の美を見出す。
疫病が流行し、町中で消毒が始まる中、化粧で若作りをして彼を探し求めベニスを彷徨い歩く老人。果たして、その結末とは… (タイトルでわかるけどね!) 


タジオの圧倒的美!静止画で見ても美しいですが、動いているタジオも息をのむ美しさです。芸術家である老人が、まさに「恋焦がれる」という域に達するほど彼にのめり込む気持ちがわかる気がします。
絶対的な美しさに直面したとき、きっと人は自らを省みる余裕すらなく、それを追い求めることしかできないのでしょう。
ちなみにタジオ演じたビョルン・アンドレセンは現在御年64歳ですが、未だにスマートで美形なままです。

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30. 愛を読むひと (現代:The Reader) (2008) スティーブン・ダルトリー:監督
【あらすじ】
第二次世界大戦後のドイツ。15歳の少年マイケルは具合の悪かったところを偶然助けてくれた年上の女性、ハンナと知り合い心惹かれるようになります。
やがて男女の関係へと発展するふたり。ハンナはいつもマイケルに本の朗読を頼み、彼は彼女のために何冊も物語を話して聞かせます。
ところがある日、突然マイケルの目の前から姿を消してしまったハンナ。
次に彼が彼女を見たのは、傍聴席から参加した裁判。被告席に座るハンナを目撃します。


「めぐりあう時間たち」の制作陣が撮影した作品。ケイト・ウィンスレットは本作でアカデミー主演女優賞を獲得しました。

この映画に関しては、詳しく説明しようとするほど種明かしになってしまうので詳細が語れません。ハンナの気持ちを想うと胸が張り裂けそうになります。
繰り返し観返したい話ではありませんが、美しく、切なく、哀しく、愛おしい素晴らしい映画です。

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終わりに


まだまだ好きな映画は山ほどあるのですが、キリがなくなるのでいったんここまでとして、また随時追記していきたいと思います。
オススメの映画があれば、ぜひSNSにて教えてください 🙂