【R fragrance】調香師・村井千尋さんに伺う「NOBLE ORCHID」の魅力【香水レビュー】

調香師でありブランドのオーナーでもあられる村井千尋さんに伺う R fragranceの魅力。 前回に引き続き今回は、2017年に発売された「NOBLE ORCHID」(ノーブルオーキッド) の香りについてご紹介して参ります。お楽しみいただけたら幸いです。

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NOBLE ORCHID のなりたち
 
村井さん:
「『NOBLE ORCHID』とは、国産の蘭、『春蘭』のことです。
『蘭』と聞くと、お祝いごとに欠かせない華やかな『胡蝶蘭』などの洋蘭のイメージが一般的かもしれませんね。春蘭はそういった艶やかな蘭とはまた違った魅力をもつお花なんです。
山岳地帯など、渓谷にひっそりと自生している春蘭のお花の大きさはたった1.5cmほど。お花よりも草葉のグリーンの方が目立ちます。青葉の中に凛と佇むその品のよさに惹かれました。
何より春蘭は、とても香りがいいんです。見た目は洋蘭と比較してしまうと地味ですが、非常に美しい香りを放ちます。
『NOBLE ORCHID』の香りには、『見た目よりも中身が大切』なんだというメッセージを込めているんです。」

実際にらん園へと足を運び、春蘭のひそやかな佇まいに目を惹かれたという村井さん。
恥ずかしながら私は春蘭を実際に鑑賞したことはないのですが、お話を伺いぜひ実物のお花を観に行きたいと感じました。
「見た目よりも中身を大切に」というメッセージには、勇気をもらえる気がします。
もちろん外見を磨くことも自分自身が明るく自信をもって過ごすためには必要なことであるかもしれませんが、そこだけに終始することなく、日々教養を身に付け、努力する姿勢を失わずにいたいと改めて感じました。
もともとオンのシーンに大活躍してくれている香りでしたが、お話を伺い愛着が増し、自分にとってますます欠かせないフレグランスとなりました。
NOBLE ORCHID の香りとは
 
こちらの項目では、無粋ながらいち消費者として私が感じる「NOBLE ORCHID」の香りについて、言葉にしてみたいと思います。 
「NOBLE ORCHID」の香調を一言で表すと、「折り目正しいグリーンフローラル」といった表現になるのではないでしょうか。

肌にのせた瞬間、脳裏に浮かぶのは冷えた、そして霧がかった空気。冬から春先にかけての早朝の空気を連想します。
空気に溶けた冷たい水滴が吐息と触れ、肌をじわっと濡らすよう。
「NOBLE ORCHID」の香りを嗅ぐと心身が研ぎ澄まされ、澄んだ心持ちになるのはまさにこのイメージによるものでしょう。
そして、その冷えた空気の中で、青々と生命力を放つ優しい緑の香りと、繊細で線の細い花の香り。
実物の春蘭の香りを香ったことがないため的外れかもしれませんが、お花の系統でいうと鈴蘭にほんのりジャスミンの面影、といった印象。さっぱりとしたフルーティーな甘さもほのかに感じるように思います。
「グリーン」というと、青臭くて好みが分かれそうなイメージを抱かれる方もいらっしゃるかもしれませんが、「NOBLE ORCHID」の場合はグリーンノートの香り方が非常に柔らかく、苦手意識のある方でも違和感なく使えそうです。
時間が経過すると甘さに「厚み」が増していき、ふんわりと花弁に包み込まれるかのような華やかな香り立ちが楽しめます。
ただ、「華やか」とは言っても自己主張の激しい部分は一切なく、あくまで品の良い美しさが際立つその様がとても好きです。

魅力的な香り揃いのR fragranceのラインナップの中でも、特にお気に入りなのがこの香り。
冬から春先にかけてのシンと静かな空気感が心地よく、集中して目の前の目標に取り組める気がします。自分の理想とする人物像に近しい香りであると感じており、「この香りが真に似合う人間になりたい」と思いながら日々身に纏っています。
 
NOBLE ORCHID のパッケージに込められたこだわり
 
村井さん:
「R fragranceでは、香りそのものだけではなく、ボトルやパッケージなど細部に至るまで、工夫を凝らしています。 実は香りごとに、ボトルのラベルや箱にプリントされた模様が異なっているんです。
『NOBLE ORCHID』の場合は、伝統模様である花菱模様をあしらったデザインになっています。
アール・デコの意匠を意識して、繊細かつ品の良い柄を選びました。」

香りごとにラベルや箱のプリントが異なることには気がついていたものの、それらのデザインに至るまでこだわり抜かれていることを、恥ずかしながら伺うまで知りませんでした。 
改めてラベルをじっくりと見てみると、真っ直ぐに生茂る蘭の葉が交わる様や、小さな花弁が目に浮かんでくるようです。
 
NOBLE ORCHIDのおすすめの纏い方
 
村井さん:
「まず、一般的かつ基本的な付け方として、肘の関節から手首側に10cmほど離れた部分に1-2プッシュしていただくのをおすすめしています。 関節の内側は汗をかきやすい部位なので避けて、手首との間ですね。 長袖の衣類を着ているとちょうどよい香り方をしてくれます。 スプレーする際は15~20cmほど離して、霧状の香りをふわりと纏うのがコツ。擦らずに自然乾燥させるのも重要です。 気温が高いときや、半袖の服を着る際には、ウエストの両端に1プッシュずつスプレーするのがおすすめです。 また、これは私がお気に入りの纏い方なのですが、肩甲骨の間に3プッシュするというのもおすすめ。すれ違う際とても効果的に香ってくれるんです。肩甲骨の周辺には褐色脂肪細胞という脂肪を燃焼してくれる細胞が密集していて他より体温が高めなので、綺麗に香りが拡散してくれるんですね。 真夏など汗をかきやすい時期は避けていますが、それ以外の時期にはぜひ試して見てください。 纏う量は全身で2-3プッシュになるように調整していただくと良いと思います。

『NOBLE ORCHID』も基本的に上の纏い方で楽しんでいただけるはずです。
これからの暑い季節には、衣類に覆われない腕は避け、ウエストやくるぶし中心につけていただくと香りが程よく感じられると思います。」
 
終わりに


前回の記事に引き続き、今回は「NOBLE ORCHID」の香りの魅力について詳しくお話を伺いました。
前のめりに主張するようなところはなく、控えめでありながらも周囲の目を惹きつける力強く美しい香りです。
着飾らずとも匂い立つ凛々しい存在感が、香りの中に表現されているように感じます。
この香りにふさわしい自分になれるように精進を重ねたい、そう思わせてくれる、末長く付き合っていけるフレグランスです。
次回は同じくR fragranceの「OPAL SILK」の香りを紹介いたします。どうぞお楽しみに。